分析機器の洗浄や試薬の調製に欠かせない超純水を継続的に精製するには、装置の稼働を止めないことが何よりも大事。
1社のメーカーに依存すると安定精製が難しくなるので、2台目以降は別のメーカーを選定するなど「分散」させるのがおすすめです。
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ラボ向け超純水製造装置はメルク社が国内シェアの7割強を占めています。あなたの研究室に導入されている超純水製造装置もひょっとするとメルク社製かもしれません。
そこで私たち編集チームが提案するのは、メルクと同じ精度の超純水を精製できるメーカーの機器を、2台目導入以降の基本とすること。
常に複数のメーカーと関係を持っておくことで競争原理が働き、より安いコストでの導入・運用が可能となることに加え、ひとつのメーカーの動向に振り回される心配も軽減します。
これは2台目に限らず、今ある装置の入れ替え時にも有効ですので、ぜひ「依頼するメーカーは常に分散させておく」ことをおすすめします。
ちなみに、2024年時点の超純水市場規模は約80億米ドル、2037年には約260億米ドルへ拡大し、年平均成長率(CAGR)は約9%と見込まれています。
世界シェアでは上位5社(メルク、栗田工業、オルガノなど)が収益ベースで約67.8%を握り、日本シェアではラボ向け超純水装置においてメルクが7割強を占有しています。
最大市場となるのはアジア太平洋地域で、旺盛な半導体・医薬品需要が成長を牽引し、日本企業も同地域トップ5に複数社が名を連ねるなど存在感を高めています。特に半導体や医薬品向けの需要が追い風となり、今後も高水準の設備投資が続く見通しです。
メーカーを分けることで、超純水の安定精製に加えて、コスト削減効果にも期待できます。
政府の推奨するBCP(事業継続計画)にも合致するので、対外的な信頼性の獲得にもつながります。
インシデントや自然災害など、どうにもならない理由で取引が継続できなくなっても、代わりのメーカーがいれば対応をお願いできます。
常に超純水をつくり続けられる仕組みづくりが事業継続の要です。
相見積もりの取りにくい独特の商流を持つ機器とはいえ、1社に依存すると費用が高止まりする傾向にあります。
出入りする理化学機器販売店側も提案を通すため、価格交渉力に期待できるようになるでしょう。
似たスペックの機器でも、顧客が求める用途や精製量によって、適切な機種が違うこともあります。
複数メーカーの機器を取り揃えることで状況対応力が上がり、結果的に顧客から安心して依頼してもらえるようになります。
ここでは編集チームが独自に調査した会社から、メルク社のMilli-Qに匹敵する優れた性能の超純水製造装置を扱うメーカーを、特におすすめできる機種とともにご紹介しています。気になる機器が見つかったら、リンクボタンから直接問い合わせるか、出入りする理化学販売店の営業担当にご相談してみてください。


選定条件:Google検索「超純水製造装置」で検索した結果から、ラボ向けの超純水製造装置を自社開発している、もしくは海外メーカーの公認輸入代理店であることが公式サイトに記載されている全8社を調査(2024年5月17日調査時点)
・アドバンテック東洋(RFU)の選定理由:8社の内、全国に網羅している営業所・サポートセンター・特約店の数が調査時最多で、施工や工事を請け負うグループ会社を有している(2024年5月17日調査時点)
・オルガノ(ピューリック)の選定理由:8社の内、公式サイトに掲載されたラインナップの超純水精製水量の幅がもっとも広い(2024年5月17日調査時点)
ここでは編集チームがメルクとの併用でおすすめしている3つのメーカーについて、代表的な超純水製造装置の詳しい解説とともにご紹介しています。
サポートを丸投げしたいラボ向け
手厚いサポートを受けられる
高い水質精度と信頼性を兼ね備えた超純水製造装置「RFU600シリーズ」は、一般化学分析から精密分析、遺伝子実験まで幅広い用途に対応し、優れた操作性と耐久性も実現しています。
また、グループ会社を含めた総合的なサポート力に定評があり、全国各地に営業所を展開することで、顧客の多様なニーズに応えます。安心して装置を使用できる環境を整え、研究効率の最大化に繋げられるでしょう。
日々の業務で使い続ける超純水は、決して止めるわけにはいかない重要な資材。適切な量をコンスタントに精製し続けるにあたって、メンテナンスやサポートがどれだけ充実しているかはメーカー選びで大事なポイントです。
アドバンテック東洋は全国26箇所の営業所と全県にある特約店により、全国の顧客をカバー。急遽対応が必要な場合も迅速に動くことができます。
超純水の精製には様々な方法が用いられますが、アドバンテック東洋はもともと濾過器・フィルター製造を主とするメーカーなので、精製の精度に強みを持っています。
フィルター式の超純水製造装置といっても1種類しかないわけではなく、精製度合いによって使うべきフィルターにも違いが出てくるので、精製過程への相談はアドバンテック東洋を頼るのがおすすめです。

引用元:プレミアムイプロス アドバンテック東洋ページ
(https://premium.ipros.jp/advantec/product/detail/377287009/)
可動型の採水ユニットを持つRFU400は、標準で7インチの大型タッチパネルを装備しており、視認性や操作性の面で非常に優れた仕様です。
カラーディスプレイによる精製情報もわかりやすく、スマートフォンを操作するようなタッチ操作で採水処理もスムーズに行えるのも強みのひとつ。接地面積の小さいコンパクト仕様なので、パーソナルユースにおすすめです。
メンテナンス方法をディスプレイに表示することで、交換タイミングが近い消耗部材を事前に依頼できる
| 供給できる水の種類 | 水道直結式・バッチ式・自動給水式 各種あり |
|---|---|
| 精製スピード | 約1.0L/min |
| 重量 | 31.5~33.5kg |
| サイズ | W350mm×D300(採水ユニット含む:465)mm×H650mm |

引用元:プレミアムイプロス アドバンテック東洋ページ
(https://premium.ipros.jp/advantec/product/detail/377287010/)
一般化学分析や精密分析、遺伝子実験などに適切な仕様の超純水製造装置「RFU600シリーズ」。超純水の使用用途に応じて、標準型・有機物分解用UVランプ月、UF(限外濾過)膜付きの3種類がラインナップされています。
本体には大型で見やすいTFT3.5型カラー液晶表示器を採用しており、便利なカレンダー機能で定量予約設定も可能です。
メンテナンス方法をディスプレイに表示することで、交換タイミングが近い消耗部材を事前に依頼できる
| 採水タイプ | 水道直結式・バッチ式・自動給水式 各種あり |
|---|---|
| 精製スピード | Max.2L/min(採水速度可変機能付) |
| 重量 | 26.5~29.5kg |
| サイズ | W290㎜×D566㎜×H574㎜ |
| 会社名 | アドバンテック東洋株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都千代田区内幸町2-2-3 日比谷国際ビル5F |
| 公式サイト | https://www.advantec.co.jp/ |
選定条件:Google検索「超純水製造装置」で検索した結果から、ラボ向けの超純水製造装置を自社開発している、もしくは海外メーカーの公認輸入代理店であることが公式サイトに記載されている全8社を調査(2024年5月17日調査時点)
・アドバンテック東洋(RFU)の選定理由:8社の内、全国に網羅している営業所・サポートセンター・特約店の数が調査時最多で、施工や工事を請け負うグループ会社を有している(2024年5月17日調査時点)
研究対象が大小様々なラボ向け
豊富なラインナップから選べる

引用元:オルガノ公式サイト
(https://www.organo.co.jp/products/ultrapure-water/)
半導体領域で使われるプラント型超純水製造装置で有名なオルガノは、ラボ向けのシリーズも数多く取り扱っています。なかでもデスクトップ型のコンパクトな仕様に強みがあり、限られたスペースでもイオン交換樹脂を使用した超高精度の超純水が精製可能ということで注目を集めています。
単に取り扱う装置の数が多いだけでなく、それぞれの装置が特定の用途や要件に最適化されている点がポイントです。
業界や事業ごとに異なる超純水の品質基準や供給量に応じた適切なラインナップを有していることから、各分野で必要とされる最高水準の水質を実現し、顧客の生産性向上や研究成果の信頼性向上に貢献できるのが強みです。
技術革新に積極的なオルガノでは、最新の浄水技術や省エネルギー技術を取り入れた数々の機器を開発しています。
超純水製造装置においても、環境負荷の低減と運用コストの削減を実現することにより、顧客は長期的・経済的に持続可能な運用を実施できるようになります。総合的な水処理ソリューションを提供する大手ならではの商品力も強みのひとつと言えるでしょう。

このデスクトップ型超純水装置は、日常の使用量が10L未満の場面に適切な仕様で、産業を問わず様々な研究施設に適用可能です。
前面のカートリッジホルダーから簡単に消耗品を交換できるメンテナンスしやすい仕様で、直感的な操作パネルによる採水作業もスムーズに実行できます。タンクサイズも豊富なので、用途に合わせてちょうどいい機器を選択してください。
タンクサイズ・TOCなどによって多様なラインナップが用意されている
| 供給できる水の種類 | タンク式 |
|---|---|
| 精製スピード | 60 (=1.0L/min) |
| 重量 | 約24kg |
| サイズ | W290㎜×D428㎜×H598㎜ |

独自精製したイオン交換を二段処理することで、高純度かつ低TOCな超純水を安定的に精製可能なモデルです。
循環ラインから外れた場所でも、溶出が起きやすい採水口フィルターをつけないまま高感度分析に使用できることから、バイオ研究用水としての利用に向いた機器と言えます。
タンクサイズ・TOCなどによって多様なラインナップが用意されている
| 供給できる水の種類 | タンク式 |
|---|---|
| 精製スピード | 120 (=2L/min) |
| 重量 | 約26kg |
| サイズ | W354㎜×D335㎜×H448㎜ |
| 会社名 | オルガノ株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都江東区新砂1-2-8 |
| 公式サイト | https://www.organo.co.jp/ |
選定条件:Google検索「超純水製造装置」で検索した結果から、ラボ向けの超純水製造装置を自社開発している、もしくは海外メーカーの公認輸入代理店であることが公式サイトに記載されている全8社を調査(2024年5月17日調査時点)
・オルガノ(ピューリック)の選定理由:8社の内、公式サイトに掲載されたラインナップの超純水精製水量の幅がもっとも広い(2024年5月17日調査時点)
当サイトではメルクと並行して使うのにおすすめのメーカーをご紹介しています。それ以外にもメーカーは数多くあるので、ここでは各メーカーの強みと会社情報を取りまとめて一覧形式でお届けします。
Milli-Q(メルク)ドイツで製造されている製品の輸入や販売を目的として1968年に設立されました。ヘルスケア・ビジネス、ライフサイエンス・ビジネス、エレクトロニクス・ビジネスを手がけており、様々な分野でメルクの革新的技術が活用されています。

環境テクノスでは、超純水製造装置の製作はもちろんのこと、紫外線殺菌装置やプール濾過器、産業排水処理装置などを展開しています。「お客様の好みに合わせて、製品を工夫します。」というスローガンを掲げ、顧客のことを考えたサービスを提供しています。

Arium(ザルトリウス・ジャパン)は、150年以上にわたる実績がある会社です。現在はバイオ医薬品分野でのサービス提供に尽力しており、創薬への加速を手助けをしています。また主要バイオ医薬品市場において、強力な存在感を発揮しているのが特徴です。

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超純水製造装置に限らず、ふだんラボで使用する理化学機器は出入りの業者に依頼されているケースも多いでしょう。ここでは各メーカーの超純水製造装置を取り扱っている理化学機器販売店の強みと会社情報を取りまとめ、一覧形式で紹介しています。
朝日ライフサイエンスは、理化学機械器具、医療機械器具、医療用具、測定機械器具、電気機械器具、光学機械器具や、これらの試薬、部品の製造・修理、売買、輸出入を行う会社です。
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ラボ向けの超純水製造装置を導入する際に気を付けておきたいポイントを詳しく解説しています。ランニングコストやサポート、スペックに応じたものをラインナップから選ぶことなど、装置選定時に知っておきたいことをまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
ラボ向けの超純水製造装置には、大きく「分析」「実験や培養」「高度な洗浄」の3つの用途があります。それぞれの用途で選ぶべき機器にも違いが出てくるので、選び方のコツを知っておいて損はありません。機器選びで迷うことがあれば、ぜひ参考にしてみてください。
超純水製造装置を導入するにあたり、事前にきちんと把握しておきたい基本情報をまとめました。業者に相談したり、上司に報告する前に、正しい情報を押さえておきたいときにぜひご活用ください。
超純水の主な用途は、半導体や液晶の洗浄や蒸気発生器用水・注射用水・分析用ブランク水です。超純水には塩素やミネラルが含まれておらず、不純物を限りなく除去したものであることから、繊細な機器の洗浄や精密な分析に使用されています。
超純水と純水には実は、定義はありません。超純水は精密機械の表面洗浄に使用されたり、研究用水として活用されたりします。一方で純水は一般的な化学実験や電子機器の冷却に用いられ、それぞれ使用用途が異なるのが特徴です。
精製水の中には超純水・RO水・蒸留水などの種類があり、精製方法によって種類が変わります。水質も同時に異なり、それぞれ使用用途があります。以下の記事では、それぞれの水の種類の概要や使用用途についてまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
超純水製造装置に必要不可欠であるフィルターは消耗品であり、洗浄することは難しいです。そのため精製水の質が落ちてくる前に、定期的に交換する必要があります。交換を怠ってしまうと、機器停止を招いてしまう可能性があるため、交換時期はきちんと守りましょう。
以下の記事では、超純水製造装置の交換時期や耐用年数などについてまとめています。他にも、装置の入れ替え時期の目安についても詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
比抵抗値とは、水中に含まれているイオン量のことを指します。超純水の比抵抗率は17.5~18.2MΩ・cmであり、この数値を超えることは理論上難しいとされています。この数値を超えられない理由や電気伝導率についても詳しく解説していますので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。
半導体製造に欠かせないとされている超純水の役割や、その理由について詳しくまとめている記事です。半導体は精密機械であり、水道水をはじめとした不純物が混在している水で洗浄するとショートを起こしてしまいます。そのため、超純水が必要不可欠ということになります。
超純水製造装置を使用する場合には、水質低下を発生させないためには定期的なメンテナンスが重要です。そこで、どのような消耗品の交換が必要になるのかという点や、消耗品交換時の注意点をあらかじめ知っておきましょう。
超純水製造装置には大きく2パターンのTOC測定方法があります。一つ目は「比抵抗計を利用するタイプ」で、二つ目は「TOC計を利用するタイプ」となっており、それぞれにメリット・デメリットがありますので基礎知識として身に着けておきましょう。
超純水製造装置は、定期メンテナンスが重要です。消耗品の劣化をチェックして、適宜交換してください。また、長期休暇前には電源を切り水道の元栓を閉め、タンク・配管に水が残っていないことをチェックしましょう。
超純水製造装置は、PFAS分析でも活用されています。PFAS分析では、専用の低ブランクの超純水を使用することが重要です。直接採水できる装置なら、コンタミネーションリスクを最小限に抑えることができます。採水時の泡立ちは避けてください。
高感度分析には超純水が必要ですが、超純水装置自体が超純水の汚染源となる可能性があります。直接採水可能で内蔵フィルター付の装置を使用しましょう。PFOS、PFOA、PFHxSの検出限界(0.02 ng/L)以下の純度を持つ低バックグラウンドな装置がおすすめです。
高精度な分析には高純度な水が必要ですが、さまざまな理由により水質が劣化する可能性があり、超純水製造装置がその原因である場合があります。本記事では、超純水製造装置を使用するにあたってはいくつかあらかじめ知っておきたい問題点を解説しています。
樹脂やRO膜の劣化、配管内バイオフィルム、スケール付着などにより、装置自体が水質劣化の引き金になるケースがあります。本記事では、代表的なトラブル原因と早期発見のポイント、予防メンテナンスのコツをまとめています。